瞬間のオルゴール
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沙洩水晶
2016-07-12 Tue 00:25


古色の金貨と 日は暮れて

斜陽 機織る絹の糸

むすび 重ねつ

紫陽花と

小雨は噴水 影と咲き

時の大理と砕けては

響く 碧き 鈴の声

錆びし 夏風

一握の

砂金を放じて 瞬く

黄水晶シトリンと 

虚天そらと夕づつ 瑶光ほしびかり

白金 淡青 薄紅て

時劫の粉雪こゆき

落葉すば

在りし 記憶と 波紋し

揺られたる


  ( 枯れ葉 朽ち葉と 朱に塗られ

   湖畔(みず)は翠に 対比を描き

   風とおんなくちりぬる

   孤秋の嘆き

   美沙なる木洩日 影連ね

   はばたく黒蝶 白揚羽

   湖水の画布へと

   色をぬり

   葉もなき樹梢と花咲かせ

   影絵の幻燈 沈黙と

   ひとつの季節は

   過ぎにゆく )


行きては過ぎる 人の影

てのひら 庭咲く

言の花

摘みては うつむ

寂寥せきりょう

虚構と対峙す

果てに 似非笑ほほえめば

無声の言葉よ 散落し

影なき実像 群れあえど

咲かすは 砂塵の花ばかり

広漠たる 荒地に独り 佇みて

顔なき虚像に ぬくもり求め

さまよい 迷い 彷徨えど

触れるは偶像 偽りの

なみだと 涸れる

嘘ばかり

宵闇ながれる 木蓮よ

心のかげをうつしては

ひんやり つめたく

散ぎりゆく


  ( 虚偽の世界と身を飾り
   過多なる 空疎と
   零落す

   衰燈ほのめく
   「嘆き」を売り買う
   悲歌な 市場の消費者よ

   支配と搾取と隷属の
   座標象る囚獄と
   鎖つながる
   算盤と
   
   貨幣を束ねる 死神よ
   頭玉たまをはじいて
   造るは

   物・・・家畜人もの・・・機械人もの

   人なき余空の暗闇と
   葬送とさすらう
   三日月船の
   大鎌と

   しぶく黒潮 閃影

   沙洩水晶すなどけい )


いつしか紅絹もみゆく 西の空

透ずしき風の 色あまく

みどり桜と腰休め

さざめく梢と

色の香よ

風はさみどり 草ゆらし

土手に沿っては

なびきたる

青き葉裏の影と 巡りゆく

夕暮の風の 合奏楽

つゆと濡られる

碧水晶 -エメラルド-

彩なす果てに きららめく

白砂と眠る 貝殻と

春潮けぶらう

夕月よ

ともに静かに 語りあう


ゆられ ゆらるる

白茅ちがやよ 頬ぞまり

銀砂 またたく

水晶燈

わた雪 すみれに

金ぽうげ

紫紺の時間と 映しだし

小川と浮かぶ

星の情景せかい

田畑と せせらぐ

美しみ

見つめるなかに

感じる不安と なつかしみ

( ・・・カエルの合唱 そぞろなく )

ゆらめく一筋 蛍のひかり

おぼろに浮かぶ

紫陽花よ


    ( 雨のささめく 屋根の下

     習いを終えて

     夕映えと

     迎えの車の到来 待つ中に

     よぎる不安と 風はふき

     霧雨そめぬる

     淡き ぴんくと みずの色

     庭咲く 紫陽花 誘惑し

     手に触れ かおり

     歩むなか

     さっとひららく 傘のこえ

     貴方は私を招き入れ

     ふたりしゃがんで

     見つめる

     紫陽に休まる 蝶の影

     つんと小指で はららけば

     頬と 頬とをすりぬけ

     飛びにゆく… )


  再び見上げる 満月と
  無数の弦ひく
  光琴よ

  琵琶なる金翠 鳳凰と
  汐瀬しおせさざめく
  水蓮と

  五彩の銀箔 春暁の
  弧峰 綾なす
  琥珀雪

  瑠璃の硝子と 月落葉
  冴えたる 漣波
  十字の架

  沙鳥吟ずる 胡弓の調べ
  朱金の扇と 羽ひらき
  弧線 影弾く

  流麗箏 -アルペジオ-

  華閟かひたる響韻 徒然と
  湖鏡と照らさる
  白すみれ


ほのかに透きゆく 夏の午後

路樹の黒髪 梳きながれ

すず風 香る

公園の

長椅子 腰かけ 肩を寄せ

白いスミレをはさんだ

詩集を撫でほどき

ふたりならんで

ほそほそと

小さな声で 読みました

ハイネの言葉が

聴こえます


    ( 意識は独逸と駆巡り
     煉瓦づくりの
     街並みと

     時を奏でる 晩鐘と
     花盤かこまる
     噴水と

     朱影と花咲き 散りぬ
     薔薇のびら

     琥珀の大理と共鳴す
     金貨の旋律
     水浅黄

     孤燈の夜景と映える
     碧き氷玉 とかす
     月光酒

     古院と存する 彫刻家
     - 存在の忘却 -レイテェ
     きざむ

     「永遠」と )


************************************

『美しき日々は 二度として戻らない

おまえの一生は 儚き夢と過ぎるだろう

そして今この瞬間 夢の中たる夢の -現実-』

苦しみ悩んだ この記憶

ここに刻んで つづり逝こう

もし この言葉を見開くならば

おまえは わたしの心を開くのだ

************************************
      『ハイネ新詩集より』 祇遠:訳



どれだけ記憶の頁を開こうと

あの御方のこころは

見当たらない

さぐれば さぐるほどに

深淵なる底へと

誘われます

重力の失われた宇宙と

この身は投げ出され

煙たつ氷の鏡と

映し出される

あたくしだけの世界像


意識は上下左右と錯落し

足元はゆられて

崩れ

恐ろしいほどの不安に

襲われます

忘れかけていた

地球の自転とともに

世界は廻り

粉となり

壊れてゆきます

どれだけ救いをもとめ

叫ぼうと

けっして届くことはありません


ああ・・・

あなた様は いま

どちらにおいでになるのでしょうか・・・


    ( 樹木と 頬と手を当て

     落ち崩れゆく

     影像

     月どけの 涙とこぼれる

     沙洩水晶すなどけい )









- 祇遠 -


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